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青空と洗車と

「さすがにここでは洗わないよね」
こんな冷やかしまじりの声に対して、
苦笑いしつつ私はこう答えました。
  -当然。洗いませんよ。

お盆休みも終わりに近づいたある日、某県某所のガソリンスタンドでのことです。
まだまだギラギラと刺すような陽ざしが降りそそぐ昼下がり、屋根もない一角で、
小学校高学年らしき女の子と、その妹か、小学校低学年らしき女の子、それから彼女たちの父親であろう男性、の三人が、車を洗っていたのでした。
大きな黒いワンボックスカー。車を洗っているのか、はてさて彼女たち自身を洗っているのか、おそろいのTシャツやジーンズだけでなく、肩口で切りそろえられた髪の毛までグッショリ濡れて…
しかし、二人とも眩しいほどの笑顔で…

この休み中、私は計四回(三台の)車を洗いました。家族はあきれ顔。「こんな暑いときにやらなくたっていいでしょ?」

学生時代、10万円のトヨタ・スターレットで方々を旅しました。が、思い出すのは旅のことではなく、暇さえあれば車を洗っていたなぁ、ってことです。ボロボロの中古車ですから、いくら磨いたところで「ピカ」とも輝きはしないのに。

「宝物」を愛でる感覚とは少し違う、
とにかく「洗車」している時間が、その空間が、「心地よい」のです。

炎天下、ふらふらになって車を洗っていることが、どうして心地よいのか?
それはたぶん、こんな思い出のせいです。
父と弟と三人、特別これといった話をするわけでもなく、ただただ汗だくになって車を洗っている情景。ふり仰げば、どこまでも青い空。


「ハイッ」
目の前に突然つき出された真っ白い腕。握りしめられたコップ。コハク色の麦茶。カラコロ鳴る氷。
  -アリガト、  と私。
空になったコップを受け取った娘は、きれいに「まわれ右」をすると、
まるで夕立の中を急いで逃げていくように、真っ青な空の下を、首をすくめながら駆けていき……家の中から、
「気をつけてね。気分悪くなったら呼んでね」

彼女にとって「洗車」はどんな思い出になるのだろう。「洗車」などという行為それ自体がなくなっているかもしれないな…


私たちの「今」には、これまでの刻一刻の時間と空間が刻み込まれているはずです。そしてその多くは思い出されることもない。
しかし、たとえ思い出されることがなくても、その無数の瞬間は、たとえば快や不快といった判断基準として「今の私」を支えている……
のではないでしょうか。

今日から 夏期講習 終盤 です。
「学ぶ」ということが、
子どもたちにとって「真夏の青空のように心地よい」思い出として刻まれますように、

精いっぱい、授業をします。


重岡先生より
プロフィール

Author:高木のせんせい
知多市、常滑市に校舎展開をしている進学塾高木ゼミのブログです。
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